【2018.8.20投稿】イラン ギャッベの旅 3日目 定住したカシュガイの織るギャッベ

清々しい朝を迎えた。

どこまでも広がる大地と、男前な山々。
そこにポツンと点在するテント群。
本当に彼らは自然と生きているのだなと感じさせる。

朝食は、昨晩と同じメニューにスクランブルエッグが加わったもの。

キリムも好きな私にとって、遊牧民の小道具はいちいち気を引く。
サラールのガイド2日目は、”現在遊牧をしていない家庭がギャッベを織るシーン”を見学させて貰えるとのこと。
人生初の遊牧地体験をさせてくれたカシュガイ遊牧民に別れを告げ、車は山を少し下っていく。

向かったのはある一軒のお宅。
お邪魔すると、部屋の角に織り機で織っている最中のミニギャッベが!
このサイズは40cm×40cmと小ぶりだが、1枚織るのに3日かかるとのこと。

ギャッベ商売を始めたばかりで、多くの資金がないわたしは、このミニサイズを最初に少数枚アリさん(静岡 アートライン)から仕入れた。

初めて商売用に仕入れたこやつら(ギャッベ)
よって、このミニギャッベが本当に手作業で織られている場面を見られ、感慨深いものがあった。

ご主人と娘さん。この立派な髭はカシュガイ族のトレードマークでもある。(後に登場する”ムハンマド”も同じ髭)

お昼はご主人が外でバーベキューを御馳走してくれた。

この様に外に座る時は、必ずと言っていいほどキリム(薄い平織り縦断)などの絨毯がどこからか登場し敷かれる。
 
大部分の遊牧民は、その厳しい生活や政府の定住化政策により現在は、定住を余儀無くされているが、ギャッベが今も手織りでつくられていることが確認できた。
わたしが見た限り、カシュガイの人々とギャッベや絨毯織りは生活に非常に密接していた。
日本は絨毯を敷く習慣が中東諸国や欧米に比べると少ないが、天然染料で染め上げ、手織りした素朴なデザインのギャッベは国や文化を超え心に響くものがあると思っている。
日本ではインテリア等に興味が無ければギャッベの情報が入ってくることは稀だが、カシュガイの人々の素晴らしい生産物を、日本でももっと多く知って貰い、日々の生活が少しでも豊かになれば!の想いで、この商売を続けて行きたい。
さて、次は2日間ガイドしてくれたサラールと別れ、次のザ・カシュガイマン”ムハンマド”との(珍?)道中が始まる。