最近、Instagram等でvintage rug(ヴィンテージラグ)やtribal rug(トライバルラグ)を取り扱うショップが増えました。

ショップの多くは、言葉の雰囲気や自身の慣れ親しんだ方を使っているのだと思いますが、この2つの言葉にはどの様な違いがあるのでしょうか。
この記事では、
・2つの用語の違い
・どちらの用語を使うかで分かる、ショップが大事にしている価値観とは?
について解説を致します。
ヴィンテージラグとトライバルラグの違いとは?
先ずはトライバルラグとは?から考えてみましょう。
トライバルラグとは、世界各地に存在する遊牧民や部族(英語でtribe ドライブ)が織るラグのことを言います。
絨毯やラグの産地としてはイランやトルコが有名ですが、それ以外にも北アフリカのモロッコや、中央アジアのキルギスやウズベキスタン、中国など、幅広いエリアの部族により織られています。
次にヴィンテージラグ。
ヴィンテージラグとは”USEDでOldで価値の有るラグ”を指します。

トライバルラグ・・どこの/誰が/どの様な意匠で織ったかといった点に焦点が当てられている。(”トライブ”という日本人には馴染みの少ない異国情緒やその精神性の様な部分に価値を感じる方が多いのでは無いか。)
ヴィンテージラグ・・稀少性や年代ものであること、インテリアの重要な一部として、ファッション的な要素に焦点が当てられている。
トライバルラグとヴィンテージラグには重なっている部分が広く、その場合どちらで呼んでも問題は有りませんが、呼び方により各ショップさんが(意識的であれ無意識であれ)大事にしている価値観が見え隠れしているような気がいたします。
どちらの用語を使うかで分かる、ショップが大事にしている価値観とは?
トライバルラグという名称を主に用いているショップさんを眺めた時に感じるのは、織り手の息遣いや文様の意味合いなどに重きを置いているように感じます。
また、反対に”ヴィンテージラグ”という呼称をメインに用いているショップさんからは、インテリアとして経年変化したラグの採用、アンティーク家具との親和性、インテリアセンスを高める為のアイテムの提案として・・という意思を感じ取ることが出来ます。
別の記事でも言及しましたが、イランの絨毯屋さんの話によるとヴィンテージラグというと、”パイルが擦り減って薄くなっているラグ”をイメージするそうです。(記事リンク)
ヴィンテージラグは価値が高く高値で取引されることから、敢えて毛足を短く刈り込むということも残念ながら行われている様です。
過度にヴィンテージという言葉に踊らされず、1枚1枚のラグとじっくり向き合いたいものです。