“絨毯は触らないと分からない”の高い壁を超えろ!ギャッベ先輩による絨毯屋のTX(デジタルトランスフォーメーション)挑戦。

「絨毯やラグは触らないと分からないから、ネットでの販売は無理ですよ。」

私が絨毯屋を始める前、色んな絨毯屋に話を聞きに行った際にさんざん聞かされた言葉だ。
前職での営業経験から、どんな業種にも「うちの業種は特別だから・・(出来ない)」という言葉を吐く人は一定数存在することを知っていた。
ギャッベなどの絨毯、カーペット・・
確かに“実際に触る”に勝らないのは分かるが、本当に他に手段は無いのか?
触ることには勝てないまでも、肉薄することや体験として新しい価値を提供するコトは可能なのではないだろうか。
という想いを持ちながらこれまで、ギャッベの商売を営んできた。

そして新型コロナである。

感染拡大の防止を目的に、人々は生活上様々な制約を受けている。“三密(密集、密接、密室)を避ける”である。
この様な制約をかけられた状況になると、人間は何とかその条件の中で目的を達成する方法を考え実行するものだが、テレワークやオンライン●●がこの様な形で急速に普及するとは・・誰もが予想していなかったことであろう。

タイミング的には今なのだろう。
物事は、早すぎては人は警戒を抱いて近寄らないし、遅くてもいけない。
“実際の店舗に足を運べない/運びづらい”という制約のある中、どうすれば“実際に絨毯に触れている”の壁を超えるか? (ひょっとすると、答えは“超える/超えない”ではなく全く別の発想にあるのかもしれないが)

ギャッベやトライバルラグを見たい人にとって、何が最適な方法か??
アナログ、デジタルの区別無く考えてみる。

アフターデジタルで最も重要な考え方は“軸足”をどこにおくか。
アフターデジタルでは、デジタル側に軸足を置く考え方なのであるが、
私は少し異なっている。
それは、“絨毯を見たい人がストレスを感じず最も楽しめる方法”を考えることから始めるのが良かろうと思う。

その様に思考すると、これまで絨毯屋では当たり前だった光景、

【お客さんにとって】
・絨毯屋に足を運ぶこと。(見て触れる為)
・ペルシャ絨毯を扱っているお店=一部のお金持ちが行く店だろうという先入観を持つこと。
・積み重なった数十枚の絨毯を一枚一枚、時には店員に頼りながらめくること。
・常に店員の存在を気にしながらゆっくり絨毯が見れないこと。
・絨毯の写真撮影がNGなお店もあること。
・提示されているプライスが高いか安いかの判断がつきにくいこと。

改めて考えると、上記の行為から発生する負担はそもそも不必要だったのでは?と思えてくる。
そして一度、これまでの絨毯の販売スタイルを全部壊してみて、改めてシンプルに考えてみよう。

“絨毯を見たい人がストレスを感じず最も楽しめる方法は何か?”と。

もしかすると、これからの行動の中でこの問いの自体が変わっていく可能性もあるが、どの様な問いを立てたとしても、これからはその問いに応え得るテクノロジーが用意されていくことだろう。


そして、もう一点。
お客さんの視点からと同時に、絨毯屋視点から考えてみることも出来るはずだ。

【絨毯屋にとって】
・何百枚、何千枚の在庫を抱えていなければ商売にならないのか?
・広い売り場面積はそもそも必要なのか?
・好条件の立地に店を構えることが商売繁盛の定石であり続けるか?

長文となってしまったが、先日スタートしたデジタル店舗OPENにはこの様な背景があり、YouTubeライブ配信やオンラインshow談会の着手はDX(デジタル・トランスフォーメーション)の一手目という訳である。